FROM ME TO YOU
oh my bizarre life !!
『虎よ、虎よ!』 - アルフレッド・ベスター
アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』を読了。デュマのモンテ・クリスト伯をモチーフにした宇宙をまたにかけた壮大な復讐劇。SF史上最高傑作との評価の通り、臨場感たっぷりの場面が目白押しでした。
難破した宇宙船の中で170日も取り残されている主人公ガリヴァー・フォイル。奇跡的に輸送艇「ヴォーガ」がフォイルに接近するものの、救助信号を発信し続けるが、ヴォーガはそのままノーマッド号を見捨てて飛び去ってしまう。紆余曲折を経て地球へ生還できたフォイルはヴォーガとヴォーガの乗組員、そしてヴォーガに関する全てへ復讐を開始する---
正直な感想としては、登場人物の心情の変化が唐突かつ大きすぎたせいか物語の根幹を成す主人公がヴォーガを憎む心に感情移入できず、ついていけない部分が多々ありました。きっとその部分を読んだ時に集中力が切れていたとかそういう外部的な要因なのでしょうけど、そうでなかったらもっと感情移入できて素晴らしい作品になったに違いないと思うと非常に残念です。
しかしながら300ページあまりの物語に詰め込まれた様々なシーンは息苦しくなるほどの臨場感があり、特に中盤から後半にかけての主人公フォイルと追跡者たちとのジョウントと呼ばれるテレポーテーションを使った追跡劇は圧巻です。
読んでいる自分が世界中をテレポーテーションしているかのような臨場感がありました。イメージとしては2008年に公開されたジャンパー(映画)のようです。というよりジャンパーはこの作品に影響されてる気がしますね。実際、ジョウントはその後の様々な作品に影響を与えたらしいく、スティーブンキングや藤田和日郎、仮面ライダーカブトなどなど。詳しくはWikipedia:ジョウント効果を参照してみると面白いかもしれません。
読み終わった直後はありふれた話だったな程度にしか感じませんでしたが、読後しばらくはこの作品のことばかり考えている自分がいてびっくりしました。
しばらく時間を置いて、もう一度読みたいと思います。
『星を継ぐもの』 - ジェイムズ・P・ホーガン
ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』を読んだ。最初の1ページからラストまで怒涛の勢いで読ませてくれる、ハードSFの最高峰の名に恥じない素晴らしい1冊でした。
月面で5万年前に死んだと思われる死体が発見された。チャーリーと名付けた謎の死体はなんと身体構造が現在を生きる人間とほとんど同じ構造をしていたという。現在を生きる我々現生人類、月面で発見された5万年前の人類<ルナリアン>、そして木星で見つかった2500万年前の遺跡で発見される謎の巨人<ガニメアン>。過去の謎を解いていく中で、現生人類のミッシングリンクに迫るという壮大なストーリー。
ルナリアンと現生人類との謎自体は読み進んでいく中で予想できた範囲でしたが、解明に至るまでの描写が圧巻。僕が考えていた予想がいかに浅はかだったかというのを痛烈に思い知らされました。そして、全ての謎が解けた最後の最後、ラスト1行を読んだ瞬間にハンマーで頭を叩かれたような衝撃がありました。この読後感は未読の人が羨ましく思えるほどです。
ハードSFというジャンルに漏れず専門的な単語や技術がいくつか出てきますが、ゆっくり咀嚼しながら読んでいけば十分楽しめる範囲ではないでしょうか。
『星を継ぐもの』も『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』と続いていくとの事なので、引き続き読み進めたいと思います。
そういえば、木星に関係するSF映画やアニメは数多くありますね。超時空要塞マクロスのゼントラーディ、2001年宇宙の旅のモノリス、機動戦士Zガンダムのジュピトリス、機動戦艦ナデシコの木星蜥蜴などなど。木星はSFファンを引き付ける何かがあるのか もしれませんね。
